ひとくちメモ


お 墓
     第71号(2008年3月)
 お墓は一般的には死者の遺体を埋葬する施設を指しますが、仏教では、お釈迦様の遺骨を納めた仏舎利塔がその起源と考えられます。紀元前383年、インド北部のクシナガラという地でお釈迦様が亡くなった後、その遺体は火葬され、遺骨は8つの部族が分け合ったと言われています。彼らは、それぞれの自国に仏舎利塔を建ててお釈迦様とその教えを敬いました。
 日本でのお墓の歴史は、死者を祀る施設としての機能を果たしてきました。それが、権力者であれ、身内であれ、埋葬される者が中心であるかのように扱われ、民衆の支配に利用されたり、閉鎖的社会の助長になったりもしました。しかしながら、お墓はそこにお参りする者にとってこそ、その存在意味が明らかになるのであり、生者のための施設であります。埋葬されている者が誰であれ大切な人との出会いの場であります。
 真宗にはお墓を建てる上で特に決まったしきたりはありません。ですが、阿弥陀如来の教えに触れていただきたいという浄土真宗の伝統からすれば、墓石の正面は「南無阿弥陀仏」とするのがふさわしいと思えます。
 大切な人との出会いの場が、仏様の教えと出会う場となっていくことを願っています。